不倫慰謝料請求をしたい・請求されてしまった東京都町田市の方へ
町田市は、東京都の多摩地域南部にある市で、約43万人が暮らしています。
この記事では、東京都町田市にお住いの方を対象に、町田市の離婚事情、離婚や慰謝料請求をするための手続について解説します。
このコラムの目次
1.町田市の離婚事情
(1) 町田市における離婚件数の推移
町田市における2003年以降の離婚件数は以下のとおりとなっています。
- 2017年 733件
- 2016年 680件
- 2015年 702件
- 2014年 696件
- 2013年 790件
- 2012年 756件
- 2011年 729件
- 2010年 757件
- 2009年 826件
- 2008年 742件
- 2007年 791件
- 2006年 788件
- 2005年 849件
- 2004年 794件
- 2003年 868件
この数値をみると、800件台や700件台後半が多かった2000年代と比べ、近年は700件台前半から600件台後半に落ち着いており、離婚件数は緩やかに減少しているようにも思われます。
(2) 町田市における婚姻件数の推移と離婚件数の割合
続いて、町田市における婚姻件数の推移をみてみましょう。
- 2017年 1,525件
- 2016年 1,636件
- 2015年 1,703件
- 2014年 1,780件
- 2013年 1,795件
- 2012年 1,763件
- 2011年 1,826件
- 2010年 1,947件
- 2009年 1,998件
- 2008年 2,003件
- 2007年 1,973件
- 2006年 2,016件
- 2005年 1,952件
- 2004年 2,067件
- 2003年 2,271件
このように、少子化による結婚適齢期の人口の減少を背景に、町田市における婚姻件数は明らかに減少しています。
ところが、離婚の件数の減少のペースを婚姻件数の減少が上回っていることから、婚姻数に対する離婚数の割合自体は増加しています。事実、離婚数を婚姻数で割った数値(小数点第3位以下は切り捨て)の推移は以下のとおりとなっており、特に2017年は0.48という非常に高い数値となっています。
婚姻から離婚までの期間を考慮していませんのであくまで目安にすぎませんが、このデータによれば実に2組に1組のカップルが離婚している計算になります。
- 2017年 0.48
- 2016年 0.42
- 2015年 0.41
- 2014年 0.39
- 2013年 0.44
- 2012年 0.43
- 2011年 0.40
- 2010年 0.39
- 2009年 0.41
- 2008年 0.37
- 2007年 0.40
- 2006年 0.39
- 2005年 0.43
- 2004年 0.38
- 2003年 0.38
2.離婚の手続
このように、一度は愛を誓い合った夫婦であっても、その後の関係がうまくいかずに離婚に至ることは珍しくありません。
では、離婚を成立させるためにはどのような手続を行えばよいのでしょうか。
(1) 協議離婚
離婚には、協議離婚と裁判離婚があります。
協議離婚とは、夫婦の合意によって離婚することをいいます。
協議離婚は、離婚することに関する夫婦の合意さえあれば、その理由は何であるかは問われません。協議による離婚は、離婚届と必要書類を市町村役場に提出すれば成立します。
厚生労働省の統計によると、協議離婚の割合は減少の傾向にあるものの、いまだに離婚全体の87.2%は協議による離婚であるとされています。
(2) 裁判離婚
裁判離婚とは、夫婦の一方が離婚に合意しない場合に、家庭裁判所を通じた裁判手続により一方的に離婚を成立させる手続です。
日本では調停前置主義が採用されているため、離婚裁判を行う前に裁判所における話し合いの手続である離婚調停の申立てを行わなければいけません。調停が不調に終われば、裁判に移行することになります。
判決で決着した場合には、判決確定後10日以内に判決書謄本、判決確定証明書とともに離婚届を市町村役場に提出することで離婚が成立します。和解で決着した場合には、和解成立後10日以内に和解調書謄本とともに離婚届を市区町村役場へ提出します。いずれの場合であっても、離婚届に相手方の署名・捺印は必要ありません。
協議離婚の場合と異なり、裁判離婚をするためには民法が定める離婚原因に該当している必要があります。離婚原因がなければ、裁判所が離婚を成立させるという判決を出してくれませんので、離婚を諦めるか、配偶者と交渉をすることによって協議離婚の成立を目指すことになります。
民法が定める離婚原因は次の5つです。
- 配偶者に不貞な行為があったとき。
- 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
- 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
- 配偶者の強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
- その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
3.不倫慰謝料請求をするための条件
離婚原因の1つ目に定められている「配偶者に不貞な行為があったとき」とは、配偶者がほかの異性と肉体関係を持つことをいいます。いわゆる「不倫」です。
配偶者が不倫を働いた場合は、離婚を求めることができるだけでなく、配偶者または不倫相手に対して慰謝料を請求することができます。
離婚をしなければ慰謝料を請求できないわけではなく、婚姻関係は継続して慰謝料請求だけを行っても構いません。慰謝料は不倫相手だけに請求しても構いませんし、双方に請求しても構いません。
不倫慰謝料を請求するためには、いくつかの条件があります。
(1) 配偶者が異性と肉体関係を持ったこと
慰謝料請求をするための第一の要件は、配偶者が異性と肉体関係を持ったことです。手をつないだだけの場合や、キスをしただけでは不倫とは認められません。
また、「異性との」肉体関係である必要があり、同性同士での性行為は不貞行為とはならないとされています。
ただし、この場合は5番目の離婚原因の「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当する可能性はあります。
(2) 不倫があったときに夫婦関係が破綻していないこと
戸籍上は婚姻関係が継続していたとしても、夫婦関係が実質的にみて破綻していると認められるときには不倫慰謝料請求は認められません。例えば、10年以上別居していてお互いに連絡も取っていないようなケースがこれに該当します。
夫婦関係が修復不可能な状態にある場合、夫婦関係を法律的に保護する必要性がないと判断され、したがって慰謝料請求も認められません。
夫婦関係が破綻しているかどうか判断するときには、別居の期間や、離婚の話が具体的に進んでいるかどうかなどが考慮されます。
ただし、日本の裁判例では夫婦関係が破綻しているかどうかが厳しく判断される傾向があり、夫婦としてやり直せる可能性がある状況であれば夫婦関係は破綻していないとされます。
(3) 時効が成立していないこと
不倫慰謝料請求は、民法の不法行為という規定に基づく請求です。
不法行為には時効が定められており、不法行為の損害と相手を知ったときから3年、不法行為のときから20年を過ぎると請求することはできません。
つまり、配偶者が不倫していることを知ってから3年間何もしなければ請求権は消滅してしまいます。
また、配偶者が20年以上前に不倫をしていたことが発覚したとしても、すでに時効が成立していることになります。
(4) 不倫の証拠があること
不倫をした配偶者や不倫相手に不倫があったことを認めさせるためには、証拠が必要です。裁判官も、証拠がなければ不倫慰謝料を認める判決を出すことはできません。
十分な証拠がないにもかかわらず相手方に慰謝料を請求したり訴えを提起したりすると、せっかくの証拠を隠されてしまう可能性がありますし、名誉棄損などで逆に損害賠償請求をされるおそれもあります。
不倫があったという決定的な証拠になるのは、たとえば、配偶者と不倫相手がラブホテルに出入りしている写真や動画です。性行為があったことが強く推認されるメールやLINEのやり取りがあればこれも証拠になりえます。
4.不倫慰謝料の問題は弁護士に相談
(1) 不倫慰謝料を請求するとき
このように、不倫慰謝料請求は決して簡単なことではなく、法律的な要件を充たし、適切な証拠を集めたうえで請求を行う必要があります。
そこで、配偶者が不倫をしていて慰謝料請求をしたいと考えている時には、法律の専門家である弁護士に相談することをお勧めします。
(2) 不倫慰謝料を請求されたとき
慰謝料請求をされた場合であっても、相手方の要求に安易に応じてはいけません。まずは相手方の請求に対する法律的な反論はないか、相手方の請求は確かな証拠に基づくものかを慎重に検討する必要があります。
慰謝料を請求されること自体はやむを得ないとしても、弁護士が交渉を行うことにより、相手方が請求してきた金額よりも安い金額で和解できる可能性が大いにあります。
泉総合法律事務所は、不倫慰謝料に関して多くの悩みを解決して参りました。不倫慰謝料を請求したい時、されてしまった時は、一人で悩まずに弁護士にご相談ください。
男女関係が絡む問題は、当事者同士だけの話し合いではどうしても感情的になってしまいます。町田市、相模原市、横浜線・小田急線沿線にお住まい、お勤めの方は、泉総合法律事務所町田支店の弁護士に是非一度ご相談ください。
5.離婚調停や裁判を申立てる裁判所の連絡先
町田市に住民票がある方が離婚調停や裁判を申立てるときには、町田市を管轄する東京家庭裁判所の立川支部で手続を行うことになります。
裁判による不倫慰謝料請求を行う際には、請求額が140万円以下であれば町田簡易裁判所に、140万円を超える場合には東京地方裁判所立川支部に申立てを行います。
各裁判所の連絡先は以下のとおりです。
東京家庭裁判所 立川支部
〒190-8589 東京都立川市緑町10-4
042-845-0332(家事調停係)町田簡易裁判所
〒194-0022 東京都町田市森野2-28-11
042-727-5011(代表)東京地方裁判所 立川支部
〒190-8571 東京都立川市緑町10-4
042-845-0365(庶務第一課)
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