町田市周辺で法人破産を検討している方が知っておきたい破産の知識
町田市は、東京都の多摩地区南部にある市です。人口は43万人を超え、東京都内の市町村では八王子市に次いで2番目に人口が多い市です。
この記事では、町田市の経済事情について解説し、町田市で会社の倒産を検討されている方向けの情報を提供いたします。
このコラムの目次
1.町田市の経済状況
町田市は、東京都と神奈川県の物流・交通の要衝に位置する首都圏の中核都市です。
高度経済成長期以降に東京都のベッドタウンとして発展しましたが、JR町田駅から少し離れれば農村地帯も多い自然豊かな地域です。
町田市内には桜美林大学、国士館大学、昭和薬科大学、玉川大学、法政大学、和光大学など大学も多く、町田駅周辺には若者向けの商業施設が立ち並んでいます。
(1) 町田市の人口
町田市の人口は2018年7月末の時点で428,758人です。東京の市町村では八王子市に次いで2番目に多く、東京都の人口の約3.1%を占めています。
町田市の人口は近年微増傾向が続いており、2025年には約43万人まで増加すると予想されていますが、2022年以降は人口減少に転じることが見込まれています。とはいえ、全国や東京都全体と比較すると減少の割合はゆるやかです。
一方、高齢者の人口は大幅に増加することが予測されています。2018年7月末の時点での町田市の老年人口は113,854人、高齢化率は26.55%で、すでに町田市の住民の4人に1人以上が高齢者の計算となります。
国立社会保障人口問題研究所が公表した「日本の将来推計人口」によると、町田市の高齢化率は2020年には26.7%、2025年には27.3%まで上昇することが予想されています。
(2) 事業所数
続いて、2017年発行の「町田市統計書」を元に町田市における産業・経済の状況について説明いたします。
2014年7月1日時点での町田市の事業所数は12,663事業所で、前回に調査が行われた2009年7月1日と比べると192事業所減少しました。
産業大分類別にみると、卸売業・小売業が3,082事業所でもっとも多く、次いで宿泊業・飲食サービス業が1,568事業所、建設業が1,315事業所、生活関連サービス業・娯楽業が1,181事業所、医療・福祉が1,072事業所となっています。
この5年間で事業所数がもっとも増加したのは医療・福祉で、250事業所の増加となりました。
(3) 従業者数
町田市の事業所に所属している従業員数を見ると、2014年7月1日時点で143,349名、2009年より510名増加しています。
産業大分類別では、卸売・小売業が31,004名でもっとも多く、次いで医療・福祉が25,333名、宿泊業・飲食サービス業が17,140名、医療・学習支援業が14,109名、製造業が8,412名となっています。5年前と比較してもっとも増加したのは事業所数と同様に医療・福祉で、実に5,825名の増加となりました。
事業所数、従業者数ともに医療・福祉が増加した背景には、すでに説明した急激な高齢化による高齢者医療と介護・福祉に対するニーズの増加があると考えられます。
2.破産手続の流れ
さて、町田市で事業を営んでいる方の中には、資金繰りがうまくいかず、破産や清算を考えている方もいらっしゃることと思います。
次に、町田市で会社の倒産を行うための手続について解説いたします。
(1) 破産手続とは
破産法にのっとって会社を消滅させる手続を、破産手続といいます。破産は債務を帳消しにして再出発をするための手続です。
破産をするためには準備が必要ですし、裁判所に納める予納金を準備する必要があります。
経営者の方の中には「できるだけ長く続けたい」という思いから、資金がショートする直前になって初めて弁護士に相談される方もいらっしゃいます。しかし、お世話になった取引先や従業員に適切な対応をするためにも、できるだけ早い段階で弁護士に相談することをお勧めします。
(2) 破産手続開始の申立て
破産手続を行うためには、破産申立書を作成し、添付書類と併せて管轄の裁判所に提出します。
法人破産の管轄裁判所は、破産法によると「主たる営業所の所在地を管轄する地方裁判所」となりますので、町田市に主たる営業所がある会社の場合は東京地方裁判所が管轄所となり、横浜地方裁判所などそれ以外の裁判所に申立てることはできません。
なお、従業員は原則として破産の準備の段階で全員解雇することになります。全従業員を一度解雇したうえで、一部の元従業員に時給や日当を支払い、破産申立ての準備や申立て後の管財業務について協力を依頼する場合もあります。
(3) 債務者審尋
破産手続開始決定が出される前に、裁判所が会社の出頭者を呼び出して負債状況や破産に至った事情になどについて質問する場合があります。これを「債務者審尋」といいます。
務者審尋は裁判所の判断により省略される場合もあります。
(4) 破産手続開始決定と破産管財人の選任
破産の要件を充たしていると認められると、裁判所は破産手続開始決定を出します。これにより会社は解散することになります。
同時に、裁判所は破産管財人を選任します。破産管財人とは、会社の財産の管理、換価処分、債権者の配当などを行う者のことをいい、通常は弁護士から選任されます。
(5) 破産債権の確定
破産管財人は、破産する会社にどのような財産が残されているのか調査し、これを管理します。
さらに、届出期間を定めて債権者に債権の届出をしてもらい、会社に対して誰がいくらの債権を有しているのか調査を行います。
(6) 債権者集会
債権者集会とは、裁判所による管理のもと、破産管財人が債権者に対して破産手続の状況を報告する手続をいいます。
債権者の怒号が飛び交うようなイメージを持たれる方もいらっしゃいますが、債権者がわざわざ参加せず、5分から10分程度で終了する場合がほとんどです。
(7) 債権者への配当と破産手続の終了
会社に一定の財産が残されていた場合には、それを可能な限り現金化し、債権者に配当します。当然、配当する財産がない場合には配当は行われません。
債権者への配当が終了するか、配当する財産が残されていないことが明らかになると、破産手続は終了となります。
3.破産手続以外の手段
会社を整理するための手続は破産手続だけではありません。
(1) 民事再生手続
民事再生手続は、民事再生法という法律に基づいて行われる裁判手続で、経営者が主体となって会社の再建を目指すものです。会社を消滅させる破産と異なり、あくまで会社を存続させるための手続です。
民事再生手続は経営権を放棄する必要がなく、借金を大幅に減らすことができるというメリットがありますが、債権者の50%以上の賛成を得る必要があるなど手続を利用するための条件があります。
(2) 会社更生手続
民事再生と似た手続に会社更生手続があります。会社の再建を目指す手続という点では民事再生と共通していますが、会社更生手続では元の経営者は会社に対する権限を失い、裁判所が選任した更生管財人が主体となって手続を行います。
また、約半年で手続が終了する民事再生手続と異なり、会社更生手続は数年を要するのが特徴です。
民事再生手続は主に中小企業や個人事業主を、会社更生手続は主に大手企業を想定した手続です。
(3) 任意整理
任意整理とは、裁判所を通さずに債権者との合意によって会社の再建や清算を進めていく手続です。
法律的にいえば、倒産する会社と個々の債権者との和解契約によって会社を再建したり清算したりする手続ということになります。
債権者の合意さえ得られれば手続の進め方や和解の内容を柔軟に決めることができるというメリットがありますが、手続の透明性や公平性が担保されていないため、思うように債権者の協力が得られない可能性があるというデメリットもあります。
4.町田市で法人破産(会社破産)を検討されている方へ
会社の経営者の方の中には、会社を破産させるということに後ろめたさや大きな精神的ストレスを感じている方が少なくありません。
破産は会社という法人格を消滅させるための手続ですので、従業員や取引先に一定の迷惑がかかることは事実です。しかし、破産は経営者が新たな一歩を踏み出すために法律上認められた正当な手続です。
まずは一人で悩まず、専門家である弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士に相談していただくことで、経営者や従業員の皆さんにとってできる限り負担が小さい方法を見つけられる場合もあります。
町田市、相模原市、横浜線・小田急線沿線にお住まい、お勤めの方の法人破産は、解決実績豊富な泉総合法律事務所町田支店の弁護士に是非一度ご相談ください。
最後に、町田市を管轄する東京地方裁判所の立川支部の所在地や連絡先をご案内します。町田市内の会社が破産などの裁判手続による会社の整理を行う場合には、東京地方裁判所立川支部に申立てを行うことになります。
東京地方裁判所立川支部
〒190-8571 東京都立川市緑町10-4
(多摩都市モノレール「高松駅」徒歩5分,立川バス「裁判所前」徒歩1分,JR立川駅(北口)徒歩25分)
042-845-0365(庶務第一課)
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