刑事事件

妻や子供へのDVが通報された…。この先どうなる?

妻や子供へのDVが通報された…。この先どうなる?

普段から口喧嘩が絶えず、夫婦喧嘩が激しくなってしまうことが多い、という方は注意が必要です。
妻や子供に対し暴力を振るってしまうと、DV(ドメスティックバイオレンス)として被害届を提出されてしまうことになります。

被害者が暴力を警察に訴えずとも、近所や病院、学校から通報されてしまうことは十分にありえます。

DVの場合は、暴行罪傷害罪として逮捕されるのが一般的です。
今回は、「DVで通報された場合の罪、逮捕されてしまうケース、逮捕後の流れ、逮捕後の注意点」をご説明します。

1.DVはどのような罪に問われるのか

まずは、 DVで問われる罪についてご説明します。

(1) ケガをしなければ暴行罪

DV(ドメスティックバイオレンス)とは「家庭内暴力」を指します。
DVでなんらかの犯罪が成立するとするならば、最初に検討すべきは、暴行罪となります。

暴行罪は刑法208条に規定される刑罰であり、「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」と規定しています。
条文の規定からも分かる通り、「暴行したが傷害とならなかった」場合に問われる罪となります。

もっと簡単にいうと、ケガにならない程度の暴行であった場合にはこの条文が適用されることになります。

実務上は全治5日程度のアザなどは、ケガであっても暴行罪の範囲内と考えられています。

(2) ケガをしたら傷害罪

刑法204条は「人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」と規定しています。

傷害とは、人の生理的機能に障害を来した場合を指し、切り傷やアザ、骨折、臓器への障害などさまざまな症状を指します。

仮にその障害によって、人が死亡してしまった場合には、傷害致死罪となり「三年以上の有期懲役」に問われる可能性もあります。

また、「殺してやる」と思って傷害結果が生じた場合は、殺人未遂罪が適用され「死刑又は無期若しくは五年以上の懲役」が課される可能性(未遂の減刑あり)もあります。

被害者がひどいケガを負った場合には、傷害罪が適用されても量刑が重くなることや執行猶予がつかないこともあります。
また、死亡してしまった場合には、ご紹介したように適用条文が変わり、結果的に量刑も重くなる可能性があります。

もっとも、夫婦喧嘩で軽いケガをしたという程度であれば、不起訴になるケースも多いのが実情です。

2.DVで逮捕されるケースと逮捕後の流れ

次にDVが原因で逮捕に至るケースと、逮捕後の一般的な刑事手続きの流れをご説明します。

(1) DVで逮捕されるケース

家庭内の揉め事に関しては、基本的に警察は知る由もありません。
そのため、DVが表沙汰にならない限りは逮捕ということは通常考えられないでしょう。

逮捕される可能性があるのは、以下のようなケースです。

被害者が病院に運ばれる

DVによるケガで、被害者である配偶者や子供が病院に運ばれると、「なぜケガをしたのか」ということが聞かれます。

その際、夫の暴力が原因だ、喧嘩したのが原因だと答えると、DVのケースとして処理され、場合によっては、被害者の意思を確認したあとに通報されることがあります。

またケガの程度が重症の場合、意思が確認できない場合も、配偶者暴力相談支援センターへの相談後に警察に通報する可能性があるでしょう。

近所の人、学校が通報する

近所の人や学校が通報する可能性もあります。

毎日ように夫婦喧嘩の声がする、子供にアザがある、など、DVの傾向が表れている場合は、周囲が気付いて警察や児童相談所に通報することがあります。

被害者への聞き取りなどを行い、DVが発覚すれば逮捕される可能性はあるでしょう。

配偶者が被害届を提出する

被害者自身が被害届を提出した場合は、捜査が開始されます。

暴行罪や傷害罪は親告罪ではないため、警察が被害届で犯罪を認知すれば、捜査が開始される可能性が高くなります。

特に、暴行罪や傷害罪は、被害者がいるため、被害者の処罰意志を確認できる告訴がなくとも、捜査が開始される可能性は否定できません。
ケガの程度が重い場合には、捜査開始の可能性は高いでしょう。

 

このように、DVは外部から通報されてしまうと、逮捕の可能性が高くなります。

もしDVにあたるような行為をしている場合は、今すぐやめて、配偶者や子供に二度としないことを誓い、謝罪しましょう。

(2) 逮捕後の一般的な流れ

次に、逮捕後に行われる刑事手続きの一般的な流れをご説明します。
具体的な流れとしては、以下の通りに進んでいきます。

  1. 逮捕後取り調べ〜検察への送致
  2. 勾留請求の可否〜勾留
  3. 起訴・不起訴決定〜裁判開始
  4. 判決〜刑事施設へ収容

通報後、逮捕された場合は、警察署内にて取り調べが開始されます。取り調べでは暴行の件について詳しく聞かれることになるでしょう。
このとき、家族と会話をすることはできず、面会できるのは弁護士のみです。

逮捕から48時間以内には、検察に送致され、検察でも同様にいくつか質問が行われます。その後、24時間以内に捜査の必要性等から勾留請求が行われるかが決定します。

勾留が決定すると、原則として10日間、長い場合で20日間、勾留施設から出ることはできません。勾留請求がなされなければ、家に帰ることができます。

勾留中に、起訴・不起訴が検察にて判断されます。
不起訴が決まれば釈放ですが、起訴が決まればこの後も被告人勾留が続く可能性があります。

起訴までは1ヶ月程度かかるので、保釈請求などを行い、家に帰る方法を検討することになるでしょう。

起訴されると、ほぼ確実に有罪判決となります。執行猶予か罰金の判決がでない限りは、刑事施設へと収容されることになります。
有罪となった場合には、前科がつきます。

以上が、刑事手続きの流れとなります。早期釈放を目指す場合は、逮捕後できるだけ早く、できれば2日以内に弁護士に依頼することが大切です。

3.DVで逮捕されてしまった場合の注意点

DVで逮捕されてしまった場合、取り調べ中の言動には要注意です。

DVで逮捕された場合には、暴力事犯として厳しく取り調べが行われることもあります。
特に女性や子供など弱者に対する暴力であり、ケガの程度が重い場合には取り調べも力が入る可能性は否定できません。

DVの事実があり、反省している場合は、「素直に協力する」ことが大切です。できるだけ真摯に答え、反省している旨を伝えるようにしましょう。

しかし、もし警察からの事実確認で間違っていることがあれば、それに対し応じてはいけません。

自分がやっていないことを認めてしまうと後で撤回するのは難しくなります。
撤回しても、初期の自白と矛盾することから供述に信憑性がないとして裁判で退けられてしまう可能性もあります。

捜査官からさまざまな手法で、暴行の態様、故意についてきかれることになりますが、内容に相違がある場合は否定するようにしましょう。

虚偽の事実でも一度応じてしまうと、のちの起訴・不起訴の処分や量刑に影響してくる可能性があります。

4.DVで逮捕されそうなら弁護士に相談

先に述べた通り、DVは被害者の告訴がなくとも立件できる犯罪です。一度公になってしまうと、逮捕される・起訴される可能性は否定できません。

逮捕や将来に不安があるなら、できるだけ早い段階で弁護士に相談してください。
できれば、逮捕前に相談すべきです。

逮捕されそうな状況の場合は、取り調べ時のアドバイスをすることもできます。
逮捕されないように、被害者と示談を行うなどの弁護活動を行うこともできます。

また、逮捕後であっても、できるだけ早く釈放してもらうことが大切です。

長い勾留生活になると、実生活への影響は避けられません。
できれば逮捕後すぐに弁護士に依頼し、勾留請求前に弁護活動ができるようにすべきです。勾留中でも不起訴に向けた活動ができます。

起訴されてしまった場合は、保釈請求をした上で、執行猶予になる・量刑が軽くなるよう尽力します。
早い段階で弁護士に依頼すれば、できることはたくさんあります。

妻や子供への暴行・傷害で逮捕されそうな方、されてしまった方は、お早めに弁護士へご相談ください。

5.DVで警察を呼んだら旦那が逮捕!家族はどうすべき?

最後に、DV被害を受けた家族が警察に通報したけれど、これほど大事になるとは思っていなかったというケースも見受けられます。
とにかく「釈放して欲しい」場合、家族になにができるでしょうか?

被害届を提出した場合、家族の告訴がなくとも警察は捜査を開始して続けることができます。逮捕されそのまま勾留されてしまったというケースも少なくありません。

できるだけ早く釈放を望むなら、すぐに弁護士に相談してください。刑事手続きに慣れた弁護士であれば、釈放するための弁護活動を開始してくれます。

家族としては、被害届を取り下げる、情状酌量を訴えるなどの措置が考えられます。

もっとも、釈放されてもDVが止まる保証はどこにもありません。必要であるなら、実家に帰る、配偶者暴力支援センターに相談するなどの行動を起こし、まずはご自身と子供の危険を回避してください。

DVは加害者・被害者ともに家族であることから問題が複雑化しがちです。被害者でも加害者でも、専門家である弁護士にできるだけ早く相談しましょう。

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