刑事事件 [事例15]

通勤電車に乗車中、女性のお尻を触る痴漢で警察署へ

30代男性
罪名結果
痴漢 不起訴

背景

Aさんは、通勤中の混雑した通勤電車内で、被害女性のお尻などを触り、痴漢の犯人として最寄りの警察署に連れていかれました。

Aさんは、警察で簡単な事情聴取を受けただけで、逮捕されることはなく、一旦は自宅に返されました。
Aさんは段々と怖くなり、当事務所まで来所されました。

対応

当初Aさんは、警察に対しても、正面から罪を認めるような供述をしておらず、お尻を触っていたのではなく、手が当たったなどと弁解じみた供述をしていたようでした。
実際には、Aさんは、お尻を触る目的で手を伸ばしていたようで、次の警察での取り調べの際には、正直に話そうと思っていると反省している様子でした。

そこで、警察の担当者に電話をして、Aさんはきちんと事実を認める供述をする予定だと伝えたうえで、被害者に弁護人を通じて謝罪したいと申入れしました。

しかし、被害者は、警察官の説得も聞き入れず、弁護人だけであっても連絡先を教えてほしくないなど、今回の件で警察とのやりとりすら煩わしく感じていたようで、警察からの連絡も無視するような状況にありました。

何度か警察を通じて被害者に連絡をとってもらいましたが、最終的に連絡先を教えてもらうことはできず、示談はできませんでした。

結果

結果的に、Aさんは検察官の理解を得て、不起訴処分を受けました。

被害者の意向で、警察との連絡すら拒絶されている状態であったため、示談する糸口さえ得られない状況でした。

今回、幸運にもAさんが不起訴処分となったのは、Aさんが一部上場の大手企業に勤めている身でありながら犯行に及んでしまい、Aさんの反省の態度が真摯で信用できることなどを、検察官において考慮していただけた結果だと思います。

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