交通事故

交通事故示談で知っておくべき知識

交通事故示談で知っておくべき知識

交通事故の被害に遭ったら、適切に損害賠償してもらう必要があります。

しかし、交通事故など人生でそう何度も遭うものではありませんから、どのように対応すれば良いのかがわからない被害者の方も多いです。

今回は、交通事故の示談の流れや注意点など、有利に示談を成立させるために知っておくべき全知識を、弁護士が解説します。

1.交通事故の示談交渉で知っておきたい7つのこと

交通事故の示談交渉については、以下の7つのことを知っておきましょう。

  • 交通事故示談の流れ
  • 警察に報告すべき理由
  • 同意書と一括対応について
  • 治療費の打ち切りと対処法
  • 保険会社が示談交渉を代行してくれるケースとしてくれないケース
  • 相手からの示談金以外に受け取れる保険金
  • 弁護士費用特約について

それぞれについて解説していきます。

2.交通事故示談の流れ

交通事故発生後示談成立までの流れは以下の通りです。

(1) 事故現場での対応

まずは、交通事故現場での適切な対応が必要です。

事故が発生したら必ず停車してけが人を救護し、危険を防止する措置をとって警察を呼びましょう。

そして実況見分に立会い、終了したら病院に行き、保険会社に連絡を入れます。

(2) 相手保険会社の担当者からの連絡

事故後まもなく、加害者の保険会社から書面や電話などで連絡が入ります。

その後は基本的にその担当者とやり取りを進めることになるので、担当者名や連絡先を控えておきましょう。

(3) 病院の通知と同意書提出

事故後は入通院治療を受ける必要がありますが、それに先立って、加害者の保険会社に病院を連絡し「同意書」を提出する必要があります。

提出しないと加害者の保険会社は、病院に治療費を支払わず、被害者が窓口で費用負担しなければならないので、早めに返送しましょう。

なお、このように相手の保険会社が治療費を病院へ直接払いすることを「一括対応」と言います。

(4) 休業損害の請求

治療が長引く場合、治療中でも加害者の保険会社に対して休業損害を請求できます。

請求の際には勤務先に「休業損害証明書」を作成してもらい、1か月ごとに保険会社へ提出する必要があります。

(5) 医療照会への対応、治療費の打ち切り

通院治療期間が長引いてくると、相手の任意保険会社から「医療照会を行いたい」と言われることがあります。

医療照会とは、保険会社が治療費の一括対応や休業損害の支払いを終了すべき時期を判断するため、病院へ資料を照会することです。

医療照会には被害者の同意が必要なので、保険会社から再度同意書を返送するよう求められます。

しかし、むやみに医療情報を照会されると、保険会社によって被害者に不利な方向へ誘導されるおそれなどもあるので、同意する場合には、回答書の写しを交付してもらうこと、医師と面談する際には被害者が同席すべきことなどを条件としましょう。

また、治療期間が長引くと、保険会社から「そろそろ治療を終わっては?」などと勧められることがあり、それでも被害者が通院を継続していると一方的に治療費を打ち切られるケースもあります。

このようなときには通院を辞めるのではなく、健康保険などを適用して「症状固定」するまで通院を継続しましょう。

(6) 治療終了と後遺障害等級認定の申請

医師が症状固定と判断したら、治療を終了して後遺障害の等級認定請求を行います。

後遺障害に該当する症状があれば、1級から14級までのいずれかの等級の後遺障害が認定されます。

(7) 示談交渉開始

後遺障害認定を受けると、加害者の保険会社との示談交渉を開始します。

発生している損害の種類、それぞれの金額、被害者と加害者それぞれの過失割合などについて話合い、示談金額を決定します。

(8) 示談成立

話合いによって合意ができたら、加害者の保険会社が示談書を送ってきます。

被害者が署名押印して振込先を記入して返送すると、1~2週間程度で決まった示談金が入金されます。

2.警察に報告すべき理由

交通事故で加害者の保険会社から示談金を受けとるためには、必ず事故現場で警察を呼んで事故の報告をすべきです。

交通事故が発生したときに警察に報告をするのは、道路交通法によって定められている、交通事故当事者(運転者と乗務員)の義務です。

それだけではなく、警察を呼ばないと「交通事故証明書」が発行されないので、事故発生を証明できず、後に加害者の保険会社に賠償金の請求ができなくなってしまいます。

加害者は、刑事責任や行政罰(免許の点数)をおそれるので、事故現場で「警察を呼ばないでほしい」「ここで示談してほしい」などと頼んでくることがありますが、そのような言葉に流されてはいけません。

加害者が積極的に警察を呼ばない場合、被害者の立場であっても必ず110番通報などの方法で警察に来てもらいましょう。

3.同意書と一括対応について

交通事故被害者の方は、通院を開始するときに加害者の保険会社から「同意書」の返送を求められて困惑することが多々あります。

同意書は「保険会社が入通院先の病院から診断書や診療報酬明細書を取り寄せることについて、被害者本人が同意します」とする書面です。

同意書を提出すると、被害者の治療内容を逐一保険会社に知られてしまうことになるので、被害者にとって不利益が及ぶとも思えます。

しかし、交通事故後の治療費を任意保険会社から病院へ直接払いしてもらうためには、必ず同意書の提出が必要です。保険会社としても治療内容や治療費の金額を知るための資料を確認できないと、治療費を支払えないからです。

被害者が治療費を全額自腹で支払うのであれば同意書を提出しなくても良いのですが、通常は一括対応で治療費を出してもらう方が助かるでしょうから、労災保険を利用する場合でもなければ、同意書は早めに提出しましょう。

4.治療費の打ち切りと対処方法

交通事故後長期にわたって通院を継続していると、保険会社が一方的に治療費を打ち切ってくるケースがあります。

このようなとき、任意保険会社は「そろそろ治療期間は終わりです」「症状固定をして、示談交渉を開始しましょう」などと言い、さも治療を終えるのが当然のような言い方をしてきます。また、実際に治療費を打ち切られて自費になると経済的な負担が重すぎるので、通院を辞めてしまう被害者の方が多いです。

しかし、このとき、治療を辞めると被害者にとって大きな不利益が及ぶ可能性があるので、注意が必要です。

交通事故後の治療は「症状固定」するまで継続する必要があります。症状固定とは、それ以上治療をしても改善しなくなった状態です。

交通事故被害者は、加害者から症状固定するまでの治療費と入通院慰謝料、休業損害などを払ってもらう権利を持っています。

ところが、加害者の保険会社に言われて早めに通院をやめてしまったら、それまでの分の治療費や入通院慰謝料、休業損害しか受け取れなくなり、賠償金が減額されます。

また、症状固定したかどうかは医師による医学的な判断事項であり、相手の保険会社が決めることではありません。

相手の保険会社から治療費支払いを打ち切られたら、健康保険を適用して通院を継続しましょう。また、交通事故が労災に該当する場合には、労災保険を利用すると、被害者の負担額が0円になるので申請して適用してもらいましょう。

5.保険会社が示談交渉を代行

交通事故の被害者が加害者の保険会社と示談交渉をするとき、被害者の保険会社が示談交渉を代行してくれるケースとしてくれないケースがあります。この違いは何なのでしょうか?

自動車保険の対人対物賠償責任保険には、「示談代行サービス」がついているので、被保険者が事故の相手に対して賠償金を支払うべき義務を負う場合には、保険会社が示談交渉を代行してくれます。

そして、被害者に賠償金支払い義務が発生するのは、被害者に過失が認められる場合です。

被害者の過失割合が0の場合、被害者は加害者に対して賠償金を支払う義務がないので保険会社は示談交渉を代行してくれません。

その場合、被害者が完全に1人で加害者の保険会社と示談交渉をしなければならず、不利な立場に追い込まれやすいです。

6.相手からの示談金以外に受け取れる保険金

交通事故被害者が、事故の相手からの示談金以外に受け取れるお金があります。

それは、自賠責保険の保険金と、被害者が加入している自動車保険からの保険金です。

(1) 自賠責保険への被害者請求

交通事故によって発生した損害は、加害者の自賠責保険と任意保険(あるいは加害者本人)が負担します。基本的には自賠責保険が限度額まで負担し、それを超える部分を任意保険が支払う構造になっています。

ただ、現実には任意保険が自賠責保険の分まで立て替えて一括で支払い、後に自賠責保険へと求償する流れになっているので、基本的に被害者は自賠責保険へ直接賠償金を請求する必要はありません。

それでも、被害者自身が自賠責保険へ直接賠償金を請求する方法があります。それは被害者請求です。

特に後遺障害等級認定を請求するときに、一括対応を打ち切って被害者請求をする方が多いです。

被害者請求によって後遺障害等級認定請求を行った場合には、後遺障害認定を受けられたとき、自賠責保険から後遺障害に関する保険金をすぐに受け取れます。

こうして自賠責保険から先に受け取った金額は、後に加害者の保険会社と示談するときの示談金から差し引かれます。

(2) 被害者の保険からの支給

人身事故に遭った場合、被害者自身が加入している保険会社からも保険金を受け取れるケースが多いです。適用される保険は、人身傷害補償保険や搭乗者傷害保険です。

被保険者や契約車両に乗車していた人が交通事故で死傷したときに適用されます。それぞれ保険金の計算方法が決まっており、保険会社に事故の報告をすると、保険金額が計算されて支払いが行われます。

人身傷害補償保険や搭乗者傷害保険は加害者の保険会社との示談とは無関係に支払われるので、適用されると示談成立前にまとまった金額を受け取れることも多いです。
また、人身傷害補償保険は、後に加害者の保険会社との示談が成立したときに示談金から差し引かれますが、搭乗者傷害保険については差引きが行われません。

7.弁護士費用特約について

交通事故に遭ったら、被害者や家族が加入している保険に「弁護士費用特約」がついていないか、確認しましょう。

弁護士費用特約とは、保険会社が交通事故の事件処理に必要な弁護士費用を負担してくれる特約です。法律相談料は10万円まで、着手金や報酬金、実費などの事件処理費用は300万円まで保険会社が負担するので、被害者にかかる経済的な負担が大きく軽減されますし、負担が0円になるケースも多いです。

特に被害者の過失割合が0で保険会社が示談交渉を代行してくれない場合や、小さな物損事故のケースなどで、自費で弁護士に依頼すると弁護士費用の足が出てしまう場合には弁護士費用特約のメリットが大きく発揮されます。
弁護士費用特約は、被害者本人が加入している自動車保険だけではなく、配偶者や親、子どもなどの家族が加入している自動車保険のものを利用できるケースもあります。

火災保険や個人賠償責任保険にも弁護士費用特約がついていることがあるので、交通事故に遭ったときには、一通り加入している保険内容を確認しましょう。

8.交通事故の示談交渉は弁護士に相談を

交通事故の示談交渉を有利に進めていくためには、弁護士に依頼することが重要です。

弁護士が示談交渉に対応すると、弁護士基準が適用されて慰謝料などの賠償金額が大きくアップしますし、過失割合も適切に算定されて、結果的に被害者が受け取れる金額が上がります。

交通事故被害に遭われたときには、お早めに泉総合法律事務所の弁護士までご相談下さい。

無料相談受付中! Tel: 0120-101-386 平日9:00~22:00/土日祝9:00~19:00
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